+ログ

あなたにおすすめのガジェットが見つかるブログメディア

+ログ

【レビュー】audio-technica(オーディオテクニカ)ATH-M40x | 正確なモニタリングを実現するモニターヘッドホン

f:id:korekai:20190325170843j:plain

DTMなど音楽制作を楽しむ方は、モニターヘッドホンという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

モニターヘッドホンは明確な定義があるわけではありませんが、一般的には作曲や編集時のサウンドをチェックするために用いられるヘッドホンのことを指し、高音質、原音に忠実なサウンドを再現できるかどうかがポイントになってきます。

モニターヘッドホンは従来からミュージシャンやマスタリングの専門家、放送局の音響スタッフなどが利用しており、細かな音の違いやバランスを聴き分けるために使われる専門的な機材です。

近年は機材の発達などにより、個人でもDTMや音響の編集作業のために良いモニターヘッドホンを利用する方が増えてきました。

そこで今回の記事では、筆者が使用しているモニターヘッドホンであるaudio-technica(オーディオテクニカ)のATH-M40xをご紹介します。

オーディオテクニカは日本の老舗音楽機材メーカーであり、SONYやBOSEのようなメーカー特有の音質のクセがほとんどなく、中立的で解像度の高い音を特徴としています。

比較的安価でありながら原音に忠実なため、DTMなどの個人の制作環境によくマッチした製品であり、はじめてモニターヘッドホンを購入しようとしている方におすすめです。

良質なモニタリングヘッドホンをお探しの方は、本記事を参考にしてみてください。

オーディオテクニカ ATH-M40x


f:id:korekai:20190325170752j:plain


4.8



  • 正確で原音に忠実な音

  • 柔軟で付け外しが簡単

  • 長時間の使用でも耳が痛くならない

  • 折り畳み式で驚くほどコンパクトに

  • モニタリングヘッドホンとしてはお手頃価格

  • イヤーパッドの経年劣化

オーディオテクニカ ATH-M40xの特徴

プロフェッショナルモニターヘッドホンATH-M40x。全帯域で色付けのない原音に忠実な再生音、正確なモニタリングを実現するモニターヘッドホンです。

スタジオレコーディングやミキシングに最適

正確なモニタリングを実現する、全帯域で色付けのない原音に忠実な再生音に、全周波数帯域で正確なモニタリングが行なえる新開発の強磁力φ40mmCCAWボイスコイルドライバーを搭載。

モニターヘッドホンならではの広帯域でフラットな特性で解像度の高いモニタリングを実現します。

優れた遮音性能

遮音性を高める楕円形状のイヤカップを採用し、長時間使用でも快適なモニタリング。新採用のイヤパッド、ヘッドパッド素材で高耐久性を実現しました。

片耳モニタリングが可能な90度の反転モニター機構

ヘッドホンを首から掛けてモニタリングする際に便利な前方90度/後方15度の反転モニター機構を採用しました。

バヨネット式ロック機構

メンテナンスが手軽に行なえる着脱コード(バヨネット式ロック機構)を採用。利用シーンに合わせて選べる2本の着脱コードを付属。

オーディオテクニカ ATH-M40xを使ってみて、よかったところ

正確で原音に忠実な音

ATH-M40xの特徴は、原音に忠実でクセのない音にあります。

そもそも、モニターヘッドホンは音楽を鑑賞することを目的としたものではなく、あくまで音楽や音響におけるひとつひとつの音をチェックするために使用するものです。

そのため、特定の音に特化したモニターヘッドホンは、特定の音を強調するのではなく、偏りなく広い音域を拾う性能を必要とします。

筆者は以前、観賞用のBOSEのヘッドホンをモニターヘッドホンとして使用していましたが、低音が強調される性質であったため、実際に他のオーディオ機材で聴いた場合と印象が異なることが多々ありました。

反対に、SONY製品は高温が強調されることで有名です。SONY製品の多くはポピュラーソングなどの高音域中心の音楽を心地よく聴くことには優れていますが、その分低音が潰れてしまいがちです。

このようなヘッドホンと実際の音のずれをそのままにしておくと、いざ現場で音を流す際に自分がイメージしていた音と異なってしまうことがあるのです。

その点、ATH-M40xは非常に中立的な音を聴くことができ、音域や楽器のバランスをチェックするのに最適です。

また、クセがないとっても、低音や高音も潰れずしっかりと聴き取ることができ、全体としてそれぞれの音域がくっきりと表れる印象です。

ボーカルやアコースティックがしっかりとした輪郭で聴こえることはもとより、低音が重要なヒップホップや、高音域が中心のJ-POPもしっかりと音が潰れず聴き取ることができ、まさにオールジャンルに対応したヘッドホンと言えます。

柔軟で付け外しが簡単

f:id:korekai:20190325170854j:plain
モニターヘッドホンは、音質だけではなく付け外しにストレスを感じないことも重要な要素です。

モニターヘッドホンは現場で何度も音をチェックするため、付け外しが素早く簡単に行えることが求められるのです。

ATH-M40xはこのような頻繁な付け外しを想定して非常に柔軟性のある作りになっています。

これにより、このヘッドホンは首からかけてモニタリングする際に便利な前方90度、後方15度の反転モニター機構を採用しており、瞬時の着脱が楽に行えます。

また、モニタリング時は周囲の聴こえ方と比較するため、ヘッドホンを片耳だけ装着することも多いはずです。ATH-M40xの反転モニター機構はこの片耳モニタリングにも対応しており、ずれ落ちることなくしっかりと片耳だけ装着することができます。

長時間の使用でも耳が痛くならない

f:id:korekai:20190325170904j:plain
ATH-M40xは、イヤーパッドに楕円形の柔らかな素材を使用しており、長時間使用しても耳が痛くなりません。

また、イヤーパッドは厚めで耳をしっかり包んでくれるため、遮音性が高く、大きな音がなる室内でもしっかりと音をモニタリングすることができます。

上述のとおり、モニタリングはヘッドホンと周囲の音を同時に聴くことが多いため、片耳モニタリングをすることも多いのですが、片耳だけでもしっかりとヘッドホンから音を認識することができます。

装着感が良いため、テレビやスマートフォンに挿して長時間利用する際にも活躍してくれます。

折り畳み式で驚くほどコンパクトに

f:id:korekai:20190325170913j:plain
ATH-M40xは柔軟性があり、収納時は写真のように驚くほどコンパクトに折りたたむことができます。

これによりライブなど、出先でのモニタリングにも快適に持ち運ぶことができます。

録音スタジオなどに足を運ぶ際は、他に機材などを持ち運ぶ必要もあるため、コンパクトに持ち歩ける本ヘッドホンは重宝します。

筆者はATH-M40xと変換プラグやコードをソフトケースの中に入れて持ち歩いていますが、他のヘッドホンよりもはるかにコンパクトに持ち運ぶことができます。

モニタリングヘッドホンとしてはお手頃価格

ATH-M40xは定価で12,000円ほどで、初めてモニタリングヘッドホンを購入する初心者にも手の届きやすい価格となっています。

より高価なモニタリングヘッドホンになると、再生周波数帯域がより広範囲になり、それだけ音の再現性は高まりますが、ATH-M40xでも15~24,000Hzまで再生することが可能で、一般的な宅録やスタジオ収録であれば全く問題ありません。

広範囲の再生周波数帯域を持ちながら、これだけ安価に購入できる点は、コストパフォーマンスに優れたヘッドホンと言えるでしょう。

なお、ATH-M40xより広範な再生周波数をお求めの方は、上位モデルのATH-M50xやATH-M70xを購入することをおすすめします。

オーディオテクニカ ATH-M40xを使ってみて、気になったところ

イヤーパッドの経年劣化

これまでご紹介したように、ATH-M40xは非常に優れたコストパフォーマンスがあり、この価格帯のヘッドホンとしてはほとんど欠点がありません。

しかし、唯一気になったところがあるとすれば、イヤーパッドの経年劣化です。

筆者はATH-M40xを2年以上使用していますが、1年ほどたったところから徐々にイヤーパッドの素材が剥げはじめ、着脱するたびにパッド部分の素材がぽろぽろと剥がれ落ちるようになりました。

価格が安価であることや、使用頻度が高かったことから仕方がないと考えていますが、欲を言えばもう少しパッド部分にも耐久性が欲しいところです。

とは言え、ATH-M40xはこれ以外にほとんど欠点がなく、モニタリングヘッドホンとしての機能を存分に発揮してくれる製品です。

まとめ:原音に忠実な再生音、正確なモニタリングを実現するモニターヘッドホン

これまでご紹介したように、ATH-M40xは安価でありながら音の再現性が高く、観賞用ヘッドホンでは難しい細かな音を聞き分ける際に重宝します。

また、装着感も良く、片耳でのモニタリングも可能であることから、まさにモニタリング環境を考慮したヘッドホンと言えます。

宅録、スタジオ問わず音楽制作にかかわる方は、ATH-M40xでより良い制作環境を構築しましょう。

・この記事を書いた人
虚数パン。専業ライターとして、音楽、アート、ガジェット、IT系の記事を多数執筆。Web発の表現を紹介するWebマガジン『SETUZOKU』を運営。