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【レビュー】Roland Roland SP-404SX | サンプラーの代名詞「ポン出し」からヒップホップシーンまで

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RolandのSP-404SXは、基本的なサンプラーとしての機能を備えているだけではなく、その独特の機能から、数あるアーティストから熱い支持を受けています。

音のポン出しはもちろん、近年ブームとなっているLo-fi HipHopを支える機材として、数多くのライブ映像やミュージックビデオに登場します。

今回は、そんな様々な使い方ができるRoland SP-404SXの魅力についてご紹介していきます。

Roland(ローランド)SP-404SX サンプラー


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4.8

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  • コンパクトながら豊富な機能

  • 直感的な操作が可能な29種類のエフェクト

  • 愛機をより愛でるためのカスタマイズ

  • コストパフォーマンスに優れている

  • サンプルの波形を確認することはできない

  • 1度に2つ以上のエフェクトをかけることはできない

Roland SP-404SXの特徴

・12個のパッドで即プレイ可能なコンパクト・サンプラーの決定版。

・SDカード採用で大容量化、WAV/AIFFデータで高音質化を実現。

・音切れのない切り替えが可能な高品位エフェクトを29種類搭載。

・シャッフル・クオンタイズ機能付きのパターン・シーケンサーを搭載。

・サンプルのアサインがすばやく行えるPCユーティリティ・ソフトを同梱。

Roland SP-404SXを使ってみて、よかったところ

コンパクトながら豊富な機能

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Roland SP-404SXは、手前側にある番号の付された12個のパッドにサンプルをアサインすることができます。また、AからJまで10個のバンクが用意されており、12個のパッド×10個のバンクで合計120個のサンプルを本体にアサインすることが可能です。

短いループ音源やドラム音源などを組み合わせることで、簡単に音楽を制作することができます。ループ時には、右側にある「HOLD」を押せば、押したパッドがループし、他の音やエフェクトを重ねることができます。

エフェクターにとって必要不可欠なBPMなどのパラメーターの調整は、中央のディスプレイに表示される数値をもとに4つのつまみで調節していきます。

ディスプレイには7セグメントのLEDが採用されており、青から赤に変化する視覚効果により直感的にパラメーターの変化を確認することができます。

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Roland SP-404SXの上部には、写真にようにライン入出力に対応したジャックが用意されており、ミニコンポや携帯音楽プレイヤーの出力端子をつなぐことで、出力元の音を直接サンプリングすることが可能です。

またレコードプレイヤーからサンプリングを行う場合は、レコードプレイヤーとRoland SP-404SXの間にオーディオアンプまたはフォノ・イコライザーを接続する必要があります。

特にRoland SP-404SXが重宝されているHipHopシーンなどでは、digしたレコードを本体にサンプリングし、ビートを乗せる方法が一般的です。

これらのプレイはYouTube上の動画で多数アップされていますので、確認してみると良いでしょう。


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Roland SP-404SXの下部には、左側にヘッドホンを接続できる端子があり、モニターヘッドホンなどを接続し、直接音を聴くことができます。

また、中央にはSDカードを挿入することができ、PC上にある音源をカードに転送し、本体で読み込むことが可能です。

Roland SP-404SXのユーティリティソフトは非常に簡単な作りになっており、起動すると本体のパッドを模したグラフィック画面が表示されます。このパッド部分にサンプルをアサインし、SDカードを本体に差し込めば、スピーディーに作業することができます。

右側にはMIC IN端子と音量調節ノブがあり、マイクを接続、音量の調節を行うことができます。

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このように、Roland SP-404SXはスピーディーで直感的な操作ができること、コンパクトながら必要十分な機能を備えていることから、数々のライフイベントで重宝されています。

直感的な操作が可能な29種類のエフェクト

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Roland SP-404SXは、曲やサンプルを印象付ける効果的なエフェクトが29種類用意されており、ノブを捻るだけで直感的な操作が可能です。

DJイングにとって重要なルーパーやリバーブ、ピッチシフトなどはもちろんのこと、曲調に合わせて様々なアレンジができます。

これらのエフェクトは、切り替え時に音切れがないため、シームレスにエフェクトをシフトさせることが可能です。

サンプリングミュージックはミニマルな曲構成のものが多く、その分エフェクトによってメリハリをつける必要があります。

Roland SP-404SXのエフェクトは思いついたらすぐに使用でき、また、エフェクトをかけるパッドとかけないパッドを選択することも可能なため、ライブ時の即興的なプレイにも重宝します。

豊富なエフェクトの中でも、近年人気のLo-fi HipHopシーンでよく用いられるエフェクトが16番目のエフェクトである「VINIL SIM」です。

このエフェクトは文字通りアナログレコードに針をかけた時に生じる心地よいノイズを再現しています。またノブで効果を調節すれば、音が劣化したような歪んだ音になり、古ぼけた独特の味わいが出ます。

Roland SP404-SXのこの効果的なエフェクトの数々は、現在流行のヒップホップシーンにおける音楽性と切っても切り離せない重要な要素です。

愛機をより愛でるためのカスタマイズ

Roland SP-404SXは、その機能性だけでなく、さまざまなカスタマイズができることも魅力のひとつです。

メーカー公式ではありませんが、国内外の数多くのショップがRoland SP-404SX用のシールやカバー、ノブなどを販売しており、お気に入りのデザインにカスタマイズして楽しむことができます。

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写真は筆者が使用しているRoland SP-404SXです。こちらは国内のショップにて購入した専用のシールで、上から貼るだけで簡単に全体の印象を変えることができます。シールは剥がしても跡が残らない素材になっているため安心です。

海外のアーティストたちは、自身のRoland SP-404SXに好きなシールを貼って楽しんでいます。


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また、海外サイトで販売されているRoland SP-404SX用のノブは、カラフルな色が多数ラインアップされています。

つけ方はとっても簡単で、元のノブを取り外して付け替えるだけ。工具などは一切必要ありあません。

このように、手軽に着せ替えができ、自分だけの愛機として使うことができるため、Roland SP-404SXは単なるサンプラーではなく、一種のファッションのひとつとなっているのです。

コストパフォーマンスに優れている

Roland SP-404SXは、これまで見てきたようにサンプラーとしてかなり高性能ですが、4万円以下で手に入ることから、非常にコストパフォーマンスに優れた製品となっています。

最近ではSP-404 Aというモデルも登場していますが、値段や機能から見て、まだまだRoland SP-404SXも活躍してくれることでしょう。

Roland SP-404SXを使ってみて、きになったところ

サンプルの波形を確認することはできない

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ある程度高価なサンプラーやサンプラー内蔵のシーケンサーなどでは、取り込んだサンプルの波形を確認しながら不要な部分を消去(トランケート)することができます。

一方、SP404SXのディスプレイはあくまでパラメーター数値や3文字の英字など、単純な情報しか表示されません。

このことにより、取り込んだサンプルのトランケートやスタート・エンドポイントの調節などは、耳で音を聴きながら調節していかなければなりません。

サンプルの細かな微調整作業は、DAWソフト内で編集したほうが良いでしょう。

1度に2つ以上のエフェクトをかけることはできない

Roland SP-404SXは個性的で使い勝手の良いエフェクトが豊富に備わっていますが、これらのエフェクトを同時に複数使うことはできません。

例えば、ディレイとルーパーエフェクトを同時に使おうと思っても、リアルタイムで同時使用することはできません。

複数のエフェクトをかけた複雑な音を作りたい場合は、一度一つ目のエフェクトをかけたサンプルを録音し、二つ目のエフェクトをリアルタイムで使うことができます。

そこまで致命的な欠点とは言えませんが、音楽制作においてサンプルを揃えていく際、少し面倒に感じます。

まとめ:サンプリングミュージックの金字塔、Roland SP-404SX

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これまで見てきたように、Roland SP-404SXは単なる音響用のサンプラーとしての用途に限らず、ライブでのDJイングやエフェクターとしても利用できます。

これほどコンパクト、高機能でありながら安価なため、コストパフォーマンスに優れており、本格的な音楽シーンにも使用されるサンプラーの代名詞として、今も多くのファンに愛されています。

どんな用途にも重宝するサンプリングミュージックの「金字塔」、Roland SP-404SX

ぜひともその深い世界に触れてみてください。

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・この記事を書いた人
虚数パン。専業ライターとして、音楽、アート、ガジェット、IT系の記事を多数執筆。Web発の表現を紹介するWebマガジン『SETUZOKU』を運営。